秘密の★オトナのお勉強②
キリキリと痛み始めた胸を押さえながら、あたしは蘭の姿を見つめる。
興奮して周りが見えていない蘭は、呆然と立ち尽くすあたしを置いて、またどこかへと去っていってしまった。
一人きりになった廊下で、蘭の声がリピートされる。
―――「二股かけて、あゆはあたしの苦しむ姿を楽しんでいたのよね?」
「あゆと、友達になるんじゃなかった―――!!」―――
あたしは、蘭にそう思われていたの?
なんだかんだ言って、あたしは蘭が好きだった。
プライドが高かったり、女王様みたいで、何度もあたしを困らせてくれたけど。
でも、そんな気持ちを持っていたのは、あたしだけだったんだ。
「うぅーッ…!!」
ようやく悲しさが感情となって、あたしの目を覆いつくし始める。
ポロポロ…と止まる事を知らない涙は、あたしの心に深い傷があるという事を、改めて感じさせてくれた。
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