秘密の★オトナのお勉強②



感情が我慢できなくなり、あたしは床にペタンと座り込む。


止まらない涙は、あたしの心にどれだけダメージが与えられたのかを、しっかりと教えてくれて。




「らん…蘭っ…!!」




ここにはもう居ない蘭の名前を、無意識に呼んでいると、




「たく、一人で無理すんじゃねぇよ」



「…ッ………?」




ふと、誰かの声が聞こえた。



…この声、知ってる。

唯一あたしが安心出来て、心から「スキ」を言える人の声…。



その優しくて、どこか安心できる声に釣られるように、あたしは顔を上に向けた。




「どんだけ泣いてんだよ、俺の姫サマはよ?」



「さ…だながッ…!!」




.
< 261 / 412 >

この作品をシェア

pagetop