秘密の★オトナのお勉強②
あたしが名前を呼ぶのと同時に、貞永は座り込んでるあたしを軽々と立たせると、そっと自分の指先を涙に当てた。
「こんなに泣いてさ、いつもの強気なあゆはどこ行ったんだよ?」
「―――ッ…」
「俺がいくらでも涙拭いてやっから、少しだけ話聞けるか…?」
返事が出来ないあたしは、控えめにコクン…と頷く。
貞永はあたしの返事を確認すると、自分の方にあたしの身体を寄せ、ゆっくりと話し出した。
「あゆは必死で見てなかったかもしれないけどさ。俺、さっきのシーン、見てたんだよな」
「さっきの…シーンッ…?」
「あゆと佐田が、―――キスしてた所」
その言葉が聞こえてきた時、あたしの呼吸が一瞬だけ止まった。
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