秘密の★オトナのお勉強②
急いで追いかけて来てくれたのだろうか。
あたしの目の前に立っている冬馬は、相当息が乱れていた。
「あゆ…本当にゴメン。辛い思いさせちゃって…」
「や、あたしも冬馬にヒドイ態度取っちゃったし…」
キス直後に取ってしまった、冬馬への拒絶するような態度。
あの事を謝らなければいけないと、心の底から思っていた。
あたしの謝罪に、冬馬はうっすらと笑みを浮かべると、小さくもハッキリとした声で、宣言するように言った。
「俺がいつまでもモタモタしてるから、あゆや貞永くんを巻き込んで…。どこまで俺は落ちぶれた人間なんだろうね?」
「冬馬…?」
「だから今日、決着をつけるから。
―――俺と蘭の、曖昧な関係に」
覚悟を決めたであろう冬馬の表情は、凛としていて、今まで見てきた中で、一番逞しかった。
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