秘密の★オトナのお勉強②



「冬馬」




あたしは、しっかりと冬馬の目を見る。


意志をしっかりと持ったその瞳は、誰よりも強く見えて。




「蘭の事をきちんと心配出来てる冬馬なら、きっと大丈夫だよ」



「あゆ…」



「小さい事で悩むなよ、佐田。俺達がついてるんだし、要らん心配はすんな」



「貞永くん…」




あたしと貞永が一言ずつ声をかけると、冬馬は安心したように、ニコッと微笑んだ。




「それじゃ…行ってきます!」




いつもほんわかしている冬馬には似合わないような、キリッとした声を発して、猛ダッシュで蘭の元へと向かっていく。



…絶対に大丈夫だよ、冬馬。

蘭は今も、冬馬の存在を求めているハズだから。




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