秘密の★オトナのお勉強②
段々と小さくなっていく冬馬の姿を、あたしはいつまでも見つめていた。
高校の時に初めて出逢って、
いつの間にか一緒に居て、
貞永と別れた時には励ましてくれて、
―――あたしを好いていてくれた、大切な大切な存在。
冬馬には、幸せになって欲しい。
自分の感情を犠牲にしてくれた冬馬だからこそ、思う事。
だから、蘭の事を真正面から考えて、自分の意志で動いた冬馬を見て、嬉しかった。
あんなにも逞しくて、頼りになると感じた冬馬は、今日が初めてだった。
ずっとほんわかして、その場を和ませてくれる冬馬は、此処には居ない。
…ただひたすら蘭を想う
一人の男の姿だった。
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