秘密の★オトナのお勉強②
「撮影でヒマな時に散策してたら、此処を見つけてさ。佐田さんに教えたら、ここが彼女にとって、大のお気に入りの場所になったんだよな」
「という事は…蘭が此処に居るかもしれないって事!?」
「居るかもしれないというか、ホラ」
ありふれた自信を表情に浮かべながら、貞永はある一点に向かって、指先を伸ばし始める。
指が示している場所を、目で追っていくと―――
「あ…」
「だろ?」
色とりどりの花に囲まれてあるベンチに座っている、蘭の姿を見つけた。
そして、そのベンチの前には―――
息が乱れている、冬馬も。
あたしは貞永とアイコンタクトを取ると、気付かれないように、二人が居るベンチの方へそっと近付いていく。
声が聞き取れる範囲まで距離を縮めた時、あたし達は近くにある木陰に身を隠した。
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