秘密の★オトナのお勉強②
…だけど。
「は?」
「は?じゃないわよ!しらばっくれないで!」
あたしの言葉を聞いた貞永は、眉を顰(ひそ)める。
まるで、言っている事の意味が分からないと主張するように。
「…しらばっくれる?」
「まさか…無意識なの!?」
…分かった。
きっと貞永は、あたしの事を遊んでいるとも思っていなかったのよ。
あの告白も、何もかもが嘘だったんだ。
あたしという存在は、それくらいちっぽけなモノだったんだね。
「…貞永の気持ち、痛いほどに分かったから」
その言葉以外、あたしの口からは何も出てこなかった。
…訂正。
何も、出す事が出来なかった。
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