秘密の★オトナのお勉強②
「とりあえず、今回の事は俺がどうにかする」
「へ?…って、ちょ…!」
「だからあゆは、あさっての会見の時まで楽しみに待ってろよ?」
いやいや。ウキウキしたような声で、待ってろよ?なんて言われても―――
貞永の考えている事が理解出来ないでいると、電話越しに貞永を呼ぶ声が聞こえた。
どうやら、今日からあたしの代わりに配属された、一時的なマネージャーの声らしい。
「あ、ゴメンなあゆ。そろそろ撮影が再開されるみたいでさ」
ここでやっと気付く。
貞永は撮影の休憩時間に、人目を掻い潜って、あたしに連絡を入れてくれていたんだ―――
気付きにくい優しさに、思わず顔が綻ぶ。
「ううん。撮影頑張ってね?」
「ああ。じゃ、またな」
そんな声と共に、あたしと貞永を唯一繋いでいた電話が切れた。
一体貞永は何を考えているの?
そして、貞永の作戦って一体?
よく考えが理解出来ないまま、あたしは残りの謹慎時間を過ごしていく事になった。
.