秘密の★オトナのお勉強②
周りの人達に感謝する一方で、貞永と神風さんの言い合いは、まだ続いていた。
「俺はあゆの笑顔を守る為だったら、何でもします」
「だったら、ハッピードリームを解雇する、そう言ったらどうするんだ?お前は重すぎる代償を受ける上に、彼女さえ守れなくなるぞ?」
神風さんは、最後の切り札とでも言うように、堂々と「解雇」という言葉を口にする。
解雇という事は、貞永は事実上、ハッピードリームをクビになるという事。
クビになったら、あたしの夢はおろか、貞永の夢まで失う事になってしまう。
…そんなの、ダメだよ!
「もし俺が、あゆと別れると言ったとしても、あゆはハッピードリームに残る事は出来ないんですか?」
「これだけの騒動を巻き起こした上、貞永の株を下げようとした。…残念ながら、彼女には近々辞めてもらうつもりだ」
「そうですか…。じゃ、俺がハッピードリームを解雇されたら、あゆは残れるんですか?」
「それは―――」
予想外の質問に、神風さんの表情が曇る。
まさか貞永が、解雇の話をまともに受けると思っていなかったのだろう。
セットされた髪からは、うっすらと汗が滲んでいるように見えた。
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