秘密の★オトナのお勉強②



「ちょ…貸して!」




信じられなくて、あたしは貞永の手から、そのファイルを奪う。


中を開いてみると、二年間という長い期間に送っていたあたしの手紙全てが、綺麗な状態でファイリングされてあって。




「連絡を返さなかったのは…一人前になった姿で、あゆと再会したかったから」



「…ホント?」



「マジだって。それに連絡を取り合ったら、確実に俺はあゆに会いたくなる。…だから、わざと俺は返事をしなかったんだよな」




…二年経ってから明かされる真相に、あたしは貞永の思いの深さを改めて実感していた。




なんだか、バカみたい。


一番貞永を信じていなかったのは、あたしだったんだ。


本当に貞永が好きならば、ずっと信じてあげるべきだったのに。




「疑ってゴメン…貞永」



「いや、不安にさせてた俺も悪かった」




やっぱり、あたしは貞永じゃないとダメみたいだね。




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