秘密の★オトナのお勉強②
「蘭…?」
蘭が突然表情を変え、あたしの事を真剣な目つきで見てきたからだ。
少しだけ照れているように見えるものの、何故か目を逸らす事が出来ない。
まるで、魔法にかかってしまったみたいに―――
「なんだかんだで、アタシは感謝してたよ、あゆに」
「え…?」
「初めて会った時は、にっくき恋敵だったけど、そのお陰でアタシは冬馬に対しての気持ちに気が付く事が出来たの」
「蘭…」
「だからお礼を言うわ。こんなアタシに一年間尽くしてくれて、ありがとうね」
感謝の気持ちを聞いた途端、胸の奥から表現できないような感情が生まれる。
蘭の本心を、初めてあたしに打ち明けてくれた。
その事が、何よりも嬉しかった。
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