秘密の★オトナのお勉強②
「ちょ…さだな―――」
「そこの二人、ちょっといいか?」
握られた右手が、どうしようもなく熱い。
熱を持ったのは、手だけではなく顔もだ。
いい大人が、手を繋がれただけで顔が赤くなるとか…なんだか情けない。
そんなあたしとは対照的に、貞永は蘭と冬馬の方を真剣な目つきで見つめている。
何が起こるのかと心臓をバクバクさせていると、ゆっくりと貞永の口が動き出した。
「色々迷惑かけたけど…俺はハリウッドに行っても、ずっとあゆの事だけを想ってきた」
「貞永…」
「だから俺がいない二年間、あゆを見守っててくれて…ありがとな」
そう微笑む貞永から、目を離せなかった。
痛いほど、気持ちが伝わってきて…
あたしは無意識に、貞永の手をギュッと握り返していた。
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