秘密の★オトナのお勉強②



でも。

今のあたしには、人の恋路を心配している余裕などないのだ。




「あーもー!忙しすぎるってー!!」




あたしは楽屋に置かれている机を、最大限の力で叩く。


…それこそ、ぶっ壊すくらいの勢いで。



手が赤く腫れるのは当たり前だけど、それでもあたしの不満は治まらなかった。




「なんで貞永は俳優なのよ!これじゃ今までの関係と変わらないじゃない!」




これじゃ八つ当たりだと思われていてもしょうがない。


だけど…

今の貞永とあたしの関係に不満を持っている事も、確かな事実。



日本に帰国してから、貞永の仕事は前より確実に増えた。


そのせいもあり、あたし達は、恋人らしからぬ生活を送っているのだ。




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