秘密の★オトナのお勉強②
「ぶつかってみなさいよ」
「は…?」
「アンタ、光輝くんが日本に帰ってきてから、一回も言い合いしてないでしょ?」
…よく考えてみれば、蘭の言う通りだ。
あたしが貞永のマネージャーになった当初は、毎日のように口喧嘩をしていた。
だけど今は…貞永の仕事を重視しすぎて、自分の感情を我慢している。
「一回ドーンと言いたい事言ってやりなさい?そうすれば、光輝くんが今考えている事も、自然と分かるはずよ?」
「貞永の考えている事…?」
蘭の言葉を聞いて、脳裏に蘇るのは…
帰りの車内での、元気のない貞永の姿。
もしかして、蘭は―――
「貞永が苦しんでる原因が、分かるの…?」
.