秘密の★オトナのお勉強②
無機質な着信音は、あたしのジーンズのポケットから鳴りだしている。
急いでケータイと取り出してみると、そこには懐かしい名前が表記されてあって。
少しだけ胸が高鳴りながら、あたしはそっと通話ボタンを押した。
「もしもし?」
「あ、姉ちゃん?」
そう。電話の正体は、あたしの弟の猛からで。
お互いが忙しすぎて、連絡をほとんど取っていなかったあたし達。
少し寂しいと感じ始めていた時に来た連絡は、あたしを有頂天にさせた。
「久しぶりー!猛、元気にしてたの?」
「もちろん。バンドメンバーも元気にしてる。で、今日はある提案があって連絡したんだけど」
「…提案?」
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