秘密の★オトナのお勉強②



あたしがそう問いかけた瞬間、貞永の手があたしの頭から離れていく。


そして、穿いているジーンズのポケットから、何かを取り出した。




「…もちろん。俺は、いつもの強気なあゆを好きになったからな」




改めて思い知らされる貞永の気持ちに、胸が熱くなる。




「不安なら、何度でも確かめるように、気持ちを伝えてやるから。だから…もう我慢すんな」




貞永の言葉は、魔法みたい。


一言一言が、あたしを様々な感情の世界へと連れて行ってくれるから。




「だから俺も、もう我慢しねぇよ?」



「へ…?」




感動的なシーンの中、ふと貞永の声が聞こえて来る。


だけど…さっきまでとは違う点がひとつだけ。



それは―――




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