大好きッ!!
第六章 誤解
「なっちゃん!」
陸が私の名前を呼ぶ。
この声をこんな近くで聞けるのも、今だけかも…。
そんなことを思っていた私に陸はこう言った。
「ごめん…」
私は首を振った。
「私も、ごめんね…」
――――――――――……
その後、陸は黙ったままで一言も喋らない。
沈黙が続き、重苦しい空気が漂う。
なんとかこの空気から逃れたいものの、私は口に出す言葉がなかなか見つからない。
そんな時、やっと陸が口を開いた。
「昨日、一緒に帰れなかったのは部活の先輩にサッカーの練習に誘われたからなんだ…」
……え?
「それで、天崎さんはその先輩の妹なんだ」