3日で終わらせる
駅まで私たちは無言で歩いていた。
「あのさ…」
そんな中、私の前を歩いていた蓮は立ち止まり、私の方へ振り返った。
あぁ…できることなら耳を塞ぎたいよ。
そのまま蓮は話し出す。
「俺………親が決めた婚約者がいるんだ。」
「……。」
「……だから、綾吏は俺の不倫相手みたいなことになるんだ。」
「…。」
「でも、俺は誰よりも綾吏が好き。愛してる。誰にも負けないぐらい……。だから、俺は綾吏とずっといたい。綾吏も、婚約者がいる俺なんかでも、一緒にいてくれるか?」
「………。」
すぐには答えられなかった。
「嫌…だよな?」
蓮の顔が暗くなる。
「…少しだけ考えさせて……?すぐにはわかんないよ……。」
今はこれしか言えない。
そんな簡単に決められない。
「わかった。」
それから私は、また無言に戻り、お互いの家に帰った。