3日で終わらせる
どんなに忘れようとしても、頭の中から綾吏の存在は消えなくて……。
いっそのこと、父さんの後継ぎなんかやめて、綾吏の元へ行ってしまおうかと思う時もあったけど、弱い俺はそんな根性もなかった。
「……ねぇ……蓮は、あの時幸せだった?」
綾吏が呟くように聞いた。
「……うん。」
「じゃあ……もう一度……付き合う?」
「……え?」
驚きながらも、綾吏への想いが抑えられなかった俺がだした答えは……"うん"だった。
婚約者がいることを、この時の俺は考えていなかった。