愛しい君へ
「なッ! なんだよ!」
「お前がそうやって否定させないような聞き方すっから梨李は言いたいことの半分も言えてねぇぢゃねえか?梨李は俺らにずっと一緒に居てほしいと願ってたんだよ、毎日。でも俺らは気付いてながらそれを否定した。それは梨李を強くさせるためなんかぢゃねぇ。俺らに自信がなかったんだよ。家に居ると・・親父らのこと思い出しそうで。家に帰るのを拒んだ。でも梨李はその頃幼かったから嫌でも家に帰るしかなかった。俺らはそれを知っていながら梨李を1人にさせてたんだ」
唯兄は俯いてしまった。
あたしが・・・ちゃんと言わなかったから・・・。
それが逆に・・傷付けてたんだ・・・。
「梨李、だからってお前のせいぢゃねぇよ。誰も悪くないんだから」
「梨李・・・ごめんな・・・?兄貴がついていながら・・妹1人守れてなかった・・・。親父らに誓ったのに・・・。梨李は・・この身が滅ぼうとも梨李だけは守り抜くって・・・。こんなんぢゃ兄貴失格だよなッ」
唯兄は目に涙を溜めて言った。
「ぅぅん・・・。あたしもごめんなさい・・。ちゃんと言わなかったから・・。迷惑かけるのが嫌だった・・。お兄ちゃん達には・・自分の楽しい道を進んでほしいって思ってたから・・・。でも逆にそれがだめだったんだね・・・ッ」
あたしは笑みを浮かべた。