愛しい君へ


「頑張って・・・」

「え?」
「ん? どした?」
「なんか言った?」
「はぁ? 俺は何も言ってないけど」
「俺も。 空耳なんぢゃね?」
「でも今声聞こえたもん!」
「ぢゃあお袋なんぢゃね? 喧嘩するなぁって」
「お前らだけだろ」
「は!? あたし無関係だし!」
「梨李が悪いんだろ!」
結城兄ちゃんが頭を叩く。
「いったぁい!」
「こらこら。もう喧嘩しないの」
唯兄が仲裁に入る。
てヵあたしと結城兄ちゃんって仲悪かったっけ?
「ちょっくら俺部屋片付けてくるわ」
結城兄ちゃんが二階へ上がって行く。
「お前の部屋、一切触ってねぇから。出てったままやでなぁ」
「あいよ-」
あたしはソファに寝転がる。

「よいしょっと」
「唯兄おじさんっぽい-」
「うるせぇ。足が痛いんだわ」
「なら部活休めばいいのに」
「嫌だわ。だって休んだ分追いつかなきゃいけないから」
・・・やっぱ野球ばかだ。
野球大好きっ仔って感じだな、唯兄は。
「あ、野球やってる」
リモコン握って野球に夢中だ。
はぁ・・・。
だめだ、もう話しかけないとこう・・・。
携帯を開いた。
メールが1通来ていた。

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