愛しい君へ
やめて・・・。
お願い・・・。
龍哉・・・。
「梨李・・・?大丈夫か・・・?」
龍哉が強く引っ張る。
「・・・めろ・・・」
「は?」
「・・・やめろ・・・」
「梨李・・?」
「あたしは・・友達なんでしょ・・? ぢゃあもう帰る・・・」
「なんでだよ!」
「だって・・邪魔でしょ・・?彼女と話してればいいぢゃんか・・・ッ」
握られてた手を振り払って病室を出てった。
その時に龍哉があたしの名前を呼んだ。
あたしは行くあてもなく走った。
やっぱり・・・浮気してたんだ・・・。
あたしは・・・彼女ぢゃないんだ・・・。
あたしは・・・
裏切られたんだ。
男なんて所詮そんなもんなんだ。
もうどうにでもなればいい。
「ねぇ?君1人?」
街をふらついてたら声をかけられた。
・・・チャラい男。
「暇なら遊ばない?」
・・・もうどうにでもなればいいし。
あたしは自暴自棄になった。
「・・・梨李・・・?」
後ろから名前を呼ばれた。
「何してんの?」
目の前には結城兄ちゃんが居た。
・・・結城兄ちゃんか・・・。
「俺の女になんか用?」
「男いんぢゃん」
そう言ってチャラい男は何処かへ去って行った。
「梨李、何してんの」
「・・・別に何も」
あたしはまた歩き出そうとした。
「待てよ」
腕を掴まれた。