愛しい君へ
「あたしにもね・・来たの・・。めーるが・・。だヵら不安になって来たら・・奈津さんと仲よさそうに話してて・・。龍哉ヵら何も聞いてなくて・・。戸惑ったの・・。そしたらいつの間にか街に居て・・。手繋いでたのは兄ちゃんだよ・・。たまたま街で会って・・そのまま家に連れてかれたの・・」
ごめん・・ごめんね・・。
「俺ら・・すれ違ってたんだな・・・」
龍哉・・・。
「梨李・・・大好きだ・・。俺ヵら離れないでくれな・・・」
その声はとても小さくて・・・
初めて龍哉が小さく見えた・・・。
今にも消えそうで。
「ずっと一緒に居るよ・・・」
あたしも龍哉を抱き締めた。
消えちゃいそうで・・・。
そんな龍哉を見たくなかった・・・。
あたしは初めて気付いた。
龍哉は・・本当は苦しかったんぢゃないかって。
本当は傍に居てほしかったんぢゃないかって。
ずっと寂しかったんだ。
女子達に騒がれて。
疲れてたんだ。
龍哉も普通のいい男子だもん。
ただ周りが騒ぎすぎなんだろうって。
ほっとしたかったんだ。
「龍哉・・・?」
「何・・?」
子犬みたいな小さな声。
「あたしは本当に龍哉が大好きだよ?どんな龍哉だってあたしが受け入れるヵら。だヵら弱くても大丈夫だよ?あたしが龍哉守るヵら。誰かに弱いとこ見せてもいいんだよッ」
これがあたし並みの慰めの形だった。
龍哉があたしを強く抱き締めた。
「龍哉・・・?」
「ごめんな・・。お前なんヵにこんなこと言わせちゃって・・。本当は俺がお前守らなきゃいけないのにな・・。梨李・・・。ごめん・・・。今日だヶは・・こうやっていさせてな・・・」
龍哉のためなら何でもやってあげようと思った。
「ほら!空気重いよ!何する!?」
「梨李、はしゃぎ過ぎ。てヵ慎耶達は?まだ来ないの?」
「そろそろ来るんぢゃない!?」
こんこん
「ほら、来たんぢゃない!?」