愛しい君へ


『もしもし?』
『梨李!?』
慎耶の声が響いた。
『うるさ・・・。何?』
『今何処!?』
『何処って・・家だヶド・・・?』
『今すぐ病院来い!』
慎耶の声が焦ってて微かに震えていた。
『何処の?なんで?』
『・・・』
慎耶は何も言って来なかった。
『もしもし。梨李ちゃん?あたし、奈津だよ』
慎耶に変わって奈津さんが出た。
『あれ、なんで奈津さんが?』
『いい?今から言うことは事実だヵら。ちゃんと受け止めて』
『は・・・はい・・・』
『あのね・・今・・龍哉が・・・』
『ぇ・・・? 嘘ですよね・・・?』
信じたくなかった。
『嘘ぢゃないよ・・。本当なの・・・』
『だって・・・だって!』

龍哉が今危険だなんて。

「とにヵく・・実美ちゃんが梨李ちゃんの家に向かってるヵら一緒に来てね?」
奈津さんは一方的に切った。

嘘だ・・・。
だって・・さっきまで笑ってた・・・。
さっきまで・・話してた・・・。

ピンポーン

チャイムが鳴った。
きっと実美だ。
でも足が動かない。
「はい」
唯兄が出た。
きっと風呂ヵら上がったんだ。

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