愛しい君へ
「梨李、実美ちゃん来たよ?」
「梨李・・・」
唯兄は実美を部屋へあげた。
「大丈夫・・・?」
「実美・・嘘だよね・・?龍哉が・・危険だなんて・・・。嘘だよね・・・?」
「とにヵく・・病院行こ・・?行ったら・・何か変わるヵもしれないよ・・?」
「行きたくない・・。今の龍哉に・・逢いたくない・・・」
行きたくない・・・。
逢いたくない・・・。
「梨李、行ってやりなよ」
「結城兄ちゃん・・・?」
結城兄ちゃんが急に帰って言った。
「ツラくても行くしかねぇよ。逢うしヵねぇんだよ。お前は彼氏大好きなんだろ?行ってやれよ。彼氏はきっと梨李を待ってる。たとえ何も変わらなくても逢ったら梨李が何か変わるヵもしれねぇ。行ってやれ」
結城兄ちゃん・・・。
「はあ・・・。 お前らの友達に慎耶って奴居るか?」
急に聞かれた。
「高見慎耶?」
「ぅん。そいつの彼女、最近死んだろ?」
「ぇ、ぅん・・。なんで知ってるの・・・?」
「玲奈に姉貴居るんだ。俺・・怜が好きだったんだ・・。でもな・・玲奈が居なくなって・・怜は遠くへ離れて行った・・。ここに居ると妹を思い出すって・・。もう逢うことはきっとないって・・。無理に笑った怜を抱き締めることさえもできなかった・・。結局何も伝えないまま・・離れ離れになった・・」
・・・初めて聞いた。
結城兄ちゃんが恋してたなんて・・・。
「だヵら・・梨李には後悔してほしくねぇ・・。梨李・・お前の彼氏はまだ生きてる・・。まだ触れられる・・。だヵら・・今のうちに思い出作っとけ・・?お前等にはまだ無限の力が残ってんだよ・・・ッ」
「ぅん・・・。 実美、あたし龍哉に逢いに行く・・。ちゃんと龍哉見る・・」
「・・分かった。行こか」
実美があたしの手を引っ張った。
「待て。 唯、お前まだバイク持ってっか?」
「ぇ、あぁ。あるけど・・。まさヵ?」
「そ。 梨李、俺のメットまだある?」
「ぇ、一応あるヶド・・・」
「ょし、ぢゃあ行くぞ。梨李、メット。実美ちゃんゎ唯の後ろ乗ってね」
「あ、はい・・」
結城兄ちゃんはメットをかぶってとっととバイクのとこへ行った。
唯兄も結城兄ちゃんについてく。
「・・行くか・・・」
「だねッ」
無茶な兄ちゃん達のバイクへ乗る。