愛しい君へ


だが、兄ちゃんが来るとやばいから寝ると決めた。
そしたらあっさり寝れた。


川原であたしは誰かを待つ。
「梨李!」
誰かがあたしの名前を呼ぶ。
振り返ると誰かが居た。
「・・!」
あたしはその人と抱き合う。
とても幸せな気持ち。
ずっと夢見たこと。
「・・大好き!」
「俺もだ、梨李」
そう言っておでこにキスを落とす。
このキスが好きだった。
「梨李、おいで」
その人は手を広げる。
「・・!」


あたしは飛び起きる。
呼吸が乱れる。
髪は汗で濡れていた。
な・・何・・今の夢・・。
あたしは・・誰の名前呼んだの・・?
だめ・・。思い出せない・・・。
龍哉って誰・・・?
あたしは・・・。

「梨李、おはよう。大丈夫か?」
「兄ちゃん・・。おはよう・・・」
「お前、ちゃんと寝たか?」
「寝たよ」
だが実際あれから寝てない。
気になって、気になって寝れなかった。


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