愛しい君へ


実美が戻ってきた。
「何話してたの?」
「ん? 秘密♪」
「・・・へぇ-」
「ぇ、そんなけ!?」
「は?」
「もっと妬くヵと思ってた・・・」
「なんであたしが?」
笑って流した。
「つまんないの-」
「んで? 何話してたの?」
「気になる?」
実美がニヤリと笑った。
この笑みは何か企んでる笑みだ。
「別に-」
「なんだぁ」
がっかりしてる実美。
なんとなく勝った気分。

「居ないって」
急に実美が呟いた。
「何が?」
「石橋君、彼女居ないってさ」
「ふ-ん。んで?」
「ぇ、そんなけ?」
「そだけど?」
好きぢゃないし?

「梨李ならもう堕ちたかと思ったのに」
「残念でしたぁ。龍哉には興味ないよぉだ」
「龍哉・・・?」
「ん?」
あたしが龍哉と呼んだことに違和感を感じたらしい。
「いつの間に龍哉って呼んでるの!?」
「ぁ・・・」
実美はいまだに『石橋君』って呼んでたっけ。
「ん-忘れた」
「抜け駆けは許さないよッ!?」
「別に好きぢゃないヵら-」

「好きぢゃないの?」
「ぅん。 ってはぃ!?」
振り返ったら龍哉が友達連れて来てた。
「ぁ、ぁりがと♪」
「ぉぅ」
ぇ、何?
「梨李、俺のこと好きぢゃないの?」
「ぅん」
即答してやった。
実際好きって感情ないもん。
「そっかぁ」

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