愛しい君へ


次の日からあたしは学校をサボることにした。
少しでも龍哉に逢っていたくて。
なんとなく傍に居たかった。
自分でもよく分からないけど。
「龍哉ぁ♪」
ベッドの上で雑誌を読んでた龍哉に声をかける。
ぉぉ。梨李ヵ!今日学校は?」
「サボったよ!」
「だめだろ!」
「だって龍哉もサボってるし! まだ退院しないの?」
素朴な疑問をぶつける。
一瞬龍哉の顔が曇った気がしただすぐ明るくなった。
「俺はいいの。いろいろ理由あんだよ!」
「ずるいし!理由ってなんのさ!」
「うるせぇ。黙ってろ」
急に龍哉があたしの頭の後ろに手を回したヵと思ったら
龍哉の顔が近付いて一瞬だけ唇が触れた。

「ね!今のすっごい、いい感じぢゃなかった!?」
「うっせぇなぁ・・」
龍哉は髪をかき分ける。
あたしはさっきっから興奮状態。
「だって!すっごい嬉しいもん!」
「分かった、分かった・・。頼むから少し黙ってろ」
なんヵ今日の龍哉、すっごいカッコいい・・・。
ふいに顔が赤くなる。
「梨李、顔赤い」
「ぅ!ぅるさい!」
「何考えちゃってんの-?」
ニヤッと龍哉は笑う。
「顔近すぎッ!」
そう言って龍哉の顔を離す。
「チッ。なんだよ、お前-。今日おかしすぎ-」
それはこっちも聞きたいわ・・。
なんヵ今日おかしい・・。
妙に龍哉が男っぽく見える・・・。

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