愛しい君へ
「それヵらは・・狂ったように壊れちゃって・・。龍哉の声も友達の声も聞こえなかった・・。自分でも制御不能で・・。もう止まらないと思った・・。でもね・・ある友達にビンタされて・・泣きながら言ってくれたの・・。あたしがそんなんでど-すんのって・・。彼はそんなこと望んでないって・・。あたしには・・ちゃんと・・生きて欲しいって言ってたって・・。その友達は・・彼の双子の妹だった・・。それヵら目覚めて・・今を見ようと思えた・・。たしヵに彼は生きていない。けどね、あたしの心の中でずっと生きてるって。そう思えるようになったの。そしたら世界は広く綺麗に思えるようになった」
奈津さんの目は、希望に溢れた目だった。
「奈津さん・・・」
「龍哉もね・・あたしの姿見て・・すごい悲しんで・・。龍哉も性格変わったの・・。小さい頃はみんなと楽しく話してたのが今ぢゃ周りの人を寄せ付けなくなって・・・。龍哉の友達はあいつが笑った姿を見た事ないらしくて・・。全部あたしのせいなの・・・。あたしが・・・あたしが・・原因なの・・・」
「まだそんなこと気にしてたんか」
龍哉の声が聞こえた。
「龍哉・・・?」
「それは関係ねぇって前も言ったろ。姉貴が気にすることぢゃねぇんだよ。俺は好きでこの性格にした。姉貴が原因なんヵぢゃねぇっての」
龍哉は奈津さんの隣に座る。
「でも・・・」
「はあ・・。姉貴のおかげで慎耶や実美や梨李に逢えた。俺がそのままの性格でいたらきっと他の彼女が居た。梨李にも他に彼氏が居た。姉貴のおかげで・・大切な奴が出来た・・・。姉貴、もう後悔すんなよ。俺はもう今を大切に生きる。だヵら姉貴も今を大切に生きてろ」
龍哉の目にもう後悔や迷いはなかった。
「龍哉、検査結果は?」
「あ?あぁ。異常ねぇよッ」
あたしの頭をくしゃくしゃと撫でて笑った。