愛しい君へ


「龍哉、今までありがとう。一緒に過ごした思い出は絶対忘れない。間違った道行くヵもしれない。寄り道するヵもしれない。そんな時はそっと背中押してね?もう後悔しない生き方するよ。龍哉のためにも、誰かのためにも生きてみたい。嫌な時もあるヵもしれない。でも光を見失わない限り、あたしは進み続ける。きっと陰で誰かが支えてくれてるってことを忘れないように。今を一生懸命噛み締めながら」


「ねえ、龍哉?龍哉は幸せだった?あたしは幸せだったよ。あなたに逢えて初めて知ったんだ。人を愛する気持ちを。大切にする気持ちを。挫けずに龍哉に逢える日を夢見て、あたしは今日も生き続けます。龍哉もゆっくり休んでてね?ぢゃあ、また来るね! 愛してるよ!」

精一杯の笑顔をして、あたしは歩き始める。

その時、懐かしい香りがしたんだ。

いつも龍哉に飛びつくときに香った、あのときの香り。

あたしの大好きな龍哉の匂い。

あたしは自信を持って家に向かった。

< 147 / 150 >

この作品をシェア

pagetop