愛しい君へ
「あれ、梨李?」
この声は・・・?
「龍哉・・・」
なんで・・・?
「お前来るの早いな-」
ぃぁぃぁ。
ァンタこのクラスぢゃないし。
「なんヵ用?」
「冷たい言い方するな-」
実美の椅子に座る龍哉。
あたしはグランドで朝練している
サッカー部を見た。
「お前の好きな奴でも居んの?」
ふいに龍哉の声が近くで聞こえた。
振り向いたら唇が触れるか触れないかの
ところに龍哉の顔があった。
「ん?」
「ぃぁ。あたしの好きな人サッカー部ぢゃないし」
サッカーは好きだろうヶド、こいつ。
視線をサッカー部に戻す。
「そうかぁ」
「龍哉の好きな人は何部?」
「俺の? 部活入ってないよ」
入ってないんだ・・・。
「そっか。ってことは好きな人もう居るんぢゃない?」
「あぁ、そうだね」
「ならその仔の教室行けば?逢いに行けばいいぢゃん」
あたし、憎まれ口叩いてる・・・。
「お前素直ぢゃないな」
冷たい言葉が
あたしの胸に刺さった。