愛しい君へ


また涙が溢れた。
「梨李!?」
「あたしも・・・好きなんだよ・・・」
「梨李?」
「ごめんね・・・。実美には言えなくて・・・」
「ぅぅん。知ってたよ。なんとなくね」
実美の笑顔が優しかった。
「梨李は告んないの?」
「やだよ・・・」
「なんで?」
「気まずくなるぢゃん・・・」
「それが怖いの?」
「ぅん・・」

「梨李変わったね」
「ぇ・・・?」
実美が急に言う。
「だってさ?前は好きぢゃないのに付き合っててさ?
相手が可哀想だったよ」
知ってる・・・。
先輩にも申し訳なかった・・・。
あたしは好きぢゃないのに・・・。

あたしを好きになってくれた人、
ありがとう。
本当に好きな人に逢えたよ。

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