愛しい君へ


『もしもし』
『いい加減俺の番号登録してくんない?』
龍哉からだった。
『あ、忘れてた』
『お前何気天然入ってんな-』
『関係ないし-』
『ははッ』
龍哉ってこんなキャラだったんだ・・・。
『んで、どしたん?』
『んぁ? ぃぁ-用はない』
『用ないんに電話したんかいッ』

「まあ、旦那に向かってそんな口叩く・・・」

実美が呟く。
『旦那?』
その声が聞こえてたらしい。
『違う! ぇッと・・・テレビ!』
『嘘のへたな奴』
龍哉が笑ってる。
『ぃぁ-その-・・・』
『ま、別にいいよ』
『ぇ? 何が?』
『だから-旦那でもいいってこと』
・・・はい?
『ぃぁ、だって・・・』
『それとも嫌か?』
『旦那になるってことは・・・結婚・・・?』
『まあそうなるね』
『龍哉はいいの・・・?』
『ダメな理由ねぇし。俺にはな』
『はあ・・・』
『わりぃ。今日もお電話出来んかも。電話できたらするわ。
無理だったら明日電話する。ぢゃあな』
『ばぃばぃ』

「へぇ-。結婚するんだ-」
「・・・聞いてた・・・?」
「聞こえてた」


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