愛しい君へ


「気持ちい-♪」
勢いよく外に飛び出す実美。
「コケるよ、実美」
「だって楽しいんだもん♪」
実美の声が弾んでる。

「梨李、大変そうだな」

ふと後ろから聞き覚えのある声がした。
振り返ると龍哉と慎耶が。
「龍哉!?」
「高見君ッ!?」
実美の声が裏返る。
「なんで!?」
声がはもる。
「慎耶ん家この近くなんだよね-」
「実美!?知ってたの!?」
あたしは実美に問い詰める。
「知らないよッ!」
「俺も知らなかったし」
慎耶が言う。
「梨李達、どっか行くの?」
龍哉が聞く。
「ん-?」
実美に目線をうつす。
実美は首を振った。
「何処も行かないってさぁ。家ん中戻る-」
で、いんだろ?実美。
「そおなの-♪ごめんねぇ☆」
実美ってば・・・。単純・・・。
「そっかぁ。んぢゃ、また電話するわ-」
そう言って龍哉達は去って行った。


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