愛しい君へ
朝
目が覚めた。
いつもと同じ時間。
そう。
龍哉と付き合ってた頃と同じ時間だった――。
日課になっちゃったんだ・・・。
この時間に起きるのが・・・。
ばかだね・・・。
来るわけないのに・・・。
学校への足取りが重い・・・。
いつもなら軽やかなのに。
ガラッ
教室のドアを開ける。
誰も居ない静かな教室。
朝練の人達が部活を始め始めた。
あたしはサッカー部を見つめた。
いつもならもう龍哉は来ている時間。
教室に行ってみようか。
いや、迷惑だったら嫌だし。
でも1回でも見たい・・・。
ガラッ
ふいにドアが開いた。
ドアのほうへ目線をうつす。
そこに居たのは慎耶だった。
「どおしたの?息切れしてさ」
息がすごく乱れてる。
きっと走って来たんだろおね。
「龍・・・哉が・・・」
「ぇ・・・?」