愛しい君へ


あたしは振り返った。
でも龍哉は教室に入ったらしく
誰も居なかった。

龍哉・・・?
ぃゃ、それはないっか。
あたしはそう思って
実美の後を追った。

教室に戻って
人の机の上で泣いてる実美に呼びかけた。
「実美ぃ?」
「梨李ぃ・・・」
また泣いてるよ・・・、こいつは・・・。
「石橋君怖い~・・・」
そっち?
「そおか?優しそうな人ぢゃん?」
「昨日と言ってること違う-・・・」
あ・・・。
「石橋君って気に入った人しヵめぇるしないって
本当だったんだぁ・・・」
「ぇ、そなの?」
「ぅん・・・。奈菜が言ってた・・・」
ぢゃああたしは気に入られたってこと?
ありえん、ありえん。
「そっかぁ・・・」
「もういいもん!違う人見つけてやるし!」
ほら始まった。
あたしより恋多き少女
『安藤実美』
「まあ頑張れ」
「ぅん!」
「とにかくどいてくんない?」
「ぇ?」
「そこ、あたしの席」
「あ、ごめぇん。隣だから間違えたぁ」
はぁ・・・。

実美とあたしは隣の席。
だヵら授業中によく喋る。
そして怒られる。
実美には秘密なしで全部話せる親友。
幼稚園から仲のいい友。
だヵら抜け駆けも許されない。
特に実美にはね・・・。





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