愛しい君へ


「石橋君ね?梨李が1番みたいなの。梨李ゎもちろん石橋君だけだよね?」
答えるまでもなかった。
もう答えは出ていた。
あたしは涙を拭いて頷いた。
「よし、ぢゃあ石橋君のとこ行くよ!」
実美は手を差し出した。
あたしはその手を力いっぱい握った。

「遅かったな-」
慎耶はもう病室に着いていた。
「まあいろいろとね♪」
「へぇ。お前らそんな関係?」
繋いでる手を見て言った。
「違うよ!あたし達は友達だって!」
あたしは必死に訴える。
「分かってるって」
慎耶はニヤッとする。
こいつ、絶対信じてない・・・。

「梨・・・李・・・?」

ふと愛しい声が聞こえた。
「龍哉!?」
慎耶が龍哉の手を握る。
「手・・・熱い・・・」
途切れ途切れに龍哉は話してる。
まだ苦しいみたいだ。
「先生呼んでくるッ!」
実美はそう言って出て行く。
「梨李・・・」
龍哉があたしの名前を呼ぶ。
久々に呼ばれた気がする。
「どした?」
「俺・・梨李に言わなきゃ・・・ならないこと・・ある・・」
「何?」
龍哉・・知ってるよ・・・。
でもね・・あたし・・・龍哉ヵら聞きたい・・・。

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