愛しい君へ


ダメだ・・・ッ。
泣きそう・・・。
「梨李泣きそう」
龍哉があたしをからかう。
「泣きそうぢゃないもんッ」
見栄を張る。
「んで?答えはもちろん?」
「・・・はい・・・」
龍哉の問いにあたしは頷く。
「よし。 梨李、おいで?」
龍哉は腕を広げてあたしを呼ぶ。
その姿があまりにも綺麗でつい見惚れる。

「梨李?」
龍哉が首を傾げる。
ヤバッ。見惚れちゃった・・・。
「なに・・?」
龍哉に近付く。
「わっ!」
腕を引っ張られて龍哉の顔が近付いた。
一瞬のことだった。
龍哉と唇が重なった。
「石橋君大胆~」
実美が顔を赤くして言う。
「龍哉こんなんだよ」
慎耶は冷静だった。
あたしは顔が真っ赤。
それを見て龍哉は・・・
「やっべ・・ゆでだこみたい・・・」
と大笑い。
意外と笑い上戸?

「てヵ龍哉!酸素マスクしてなきゃだめぢゃん!」
先生にも言われたはずだ。
「ぇ-。これ暑苦しいヵら嫌」
全然言うコト聞いてくれない。
「龍哉ッ!」
つい怒鳴ってしまった。
「あ・・・」
みんな驚いている。
「梨李・・・お前・・・」
慎耶の顔は凍っている。
「かっけ-な!」
・・・はい・・・?

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