愛しい君へ


『ちゅっ』
あたしに顔を向けた龍哉のほっぺに軽くキスをした。
龍哉の顔は固まる。
慎耶も同じく。
実美の顔は笑顔。
とゆうか心ヵら笑ってるね。
「梨李・・お前・・・」
「み・・実美に言われただヶだヵらッ!べ・・別に・・あたしの意思ぢゃないヵらッ!」
あたしの顔は一気に真っ赤に染まる。
「梨李ぃ♪ょくやった★」
実美はまぢで喜んでる。
こんにゃろ・・・。
絶対いつか仕返ししてやる・・・。
心に決めた。
忘れるだろうヶド。
「龍哉まで顔真っ赤だし!こんな龍哉初めて見た!」
慎耶は心から喜んでる。
「ばッ!照れてなんヵねえ!」
「誰も照れてるなんて言ってないぞ?」
慎耶の口元がふっと緩む。
「は・・ハメられた・・・!」
悔しそうな顔の龍哉と裏腹に、慎耶は喜ぶ。
あたしと実美は笑った。
相変わらず真っ赤のままだったけど。

「さてと、俺帰るわぁ」
慎耶は立ち上がって鞄を持った。
「ぇ、もう帰るの?」
「ぉぅ。鈴奈の家行きたいから」
あぁ、鈴奈さんの家か・・・。
しょうがないよね・・・。
「分かった・・。 また明日、学校でね!」
「ぉぅ!ぢゃぁな!」
「もう来なくていいぞ~」
「龍哉ッ!」
あたしは龍哉の頭を叩く。
「いってぇ!冗談に決まってんだろ。お前らも暗くなる前にとっとと帰れよ」
慎耶を見送った後、龍哉は窓の外を眺める。
夕日が綺麗だった。
時計は6時を差していた。
「あ-、そだねッ。実美、何時に帰る?」
「ん-。 あ、今日って梨李、お兄ちゃん早く帰るって言ってなかったっけ?」
「ぇ・・?」

< 87 / 150 >

この作品をシェア

pagetop