愛しい君へ
「結城兄ちゃん・・・」
「梨李・・。ごめんな?今まで寂しい思いさせちゃって・・。嫌なことあったか?もう大丈夫だから・・。一緒に居るからな・・・」
高校生になって泣くのは恥ずかしいけど、今日くらい泣いてもいいよね?
「唯兄はッ!?」
ふと気付いた。
「唯?今日遅いってさっきメール来たけど」
メールを見せてもらった。
【悪い。今日遅くなる。多分梨李が早く帰るから久々にココア作ってやって。ァィッ、最近ココア飲みたがらないから。ヨロシク】
そう書いてあった。
「急いで帰った意味なかったぢゃん・・・」
力が抜けた。
「ぁ、実美にメールしなきゃ・・・」
携帯を開く。
『やほ-★ 唯兄今日遅いんだって(*´Д`)=3ハァ・・・ でもね!結城兄ちゃん帰ってきてたんだよ!゜*。(*´Д`)。*° 』
送信っと。
「なんヵ用事でもあるんか?」
「ぃぁ、ないよッ」
「ならいいけど。夕飯何食う?俺久々に作るよ」
「ぇ-?またよく分からないもの作らないでよ-?」
「ばぁか。腕は落ちてねぇよ」
結城兄ちゃんが初めて料理を作った日を思い出した。
「結城兄ちゃん・・。やっぱあたし作ろうか・・?」
「大丈夫だヵら!お前は唯と遊んでろ!」
「ぅん・・・」
心配だが、大丈夫と言ってたからあたしは唯兄と遊んでた。
出来上がった料理を見て唯兄が一言。
「ぅゎ!何これ!料理!?」
その言葉に結城兄ちゃんは落ち込んだ。
まあ形は・・・でも味は天下一品だった。