愛しい君へ


「何が食いたい?」
「ん-。何でもいいや★」
「了解」
結城兄ちゃんは再びキッチンへ入った。
ソファでリラックスする。
結城兄ちゃんの背中を見る。
あの頃とかなり変わった背中。
身長。
声色。
顔立ち。
たった5年でこんなにも変わるもんなんだ。
「ねぇ、結城兄ちゃん」
料理する結城兄ちゃんの背中に声をかける。
「どうした?」
一度顔を向けて、また料理を始めた。
「今まで何処行ってたの?」
一瞬手が止まった。ように見えた。
「秘密。梨李は気にすることぢゃないよ」
結城兄ちゃんの背中が寂しそうに見えた。
「でも・・・」
「なぁに。危ないことはしてないよ」
結城兄ちゃんが言うなら大丈夫か・・・。
「ならいいや」
携帯にメールが来ていた。
きっと実美だ。

『良かったぢゃん★今日ゎお兄ちゃんと一緒にゆっくりしてな!』
実美・・。気が利くねぇ♪
携帯を閉じた。
「友達ヵぃ?」
頭の上で声がした。

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