愛しい君へ
兄ちゃん達


結城兄ちゃんが出てってから10分経った。
1本の電話があった。
見慣れない番号だった。
「もしもし」
『・・・』
相手は無言だった。
「あの・・・?」
『・・・』
また無言。
そして急に切れた。
イタ電?実美の仕業か?
いや、でも実美の携番は登録してあるもん。
まあ、間違い電話か何かだろうとあたしは考えた。

時刻はいつの間にか10時になっていた。
まだ結城兄ちゃんと唯兄帰らない・・・。
先寝てよっと・・・。
そう思ってあたしは自分の部屋へ行った。
ふと携帯を見ると着信があった。
それもさっきと同じ番号。
「さっきっから誰なわけ?」
メールが来た。
そのメールの内容を見て、驚いた。

『石橋龍哉には永山梨李以外に彼女が居る。』

たった1行だけだったが、あたしを一気に不安にさせた。

龍哉が・・・浮気・・・?
ありえない・・・。
ありえるはずない・・・。
だって龍哉だよ・・・?
あたしに・・・キスしてくれたんだよ・・・?
嘘だ・・・。ありえない・・・。

メールを返信した。

『相手は誰? あなたは誰?』

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