恋色サイダー【完】
 




―――…‥1年前の9月。





「すすす、好きです。よ、良かったら、あたしとお付き合いして下さい…っっ!!」



いつも無表情でめちゃくちゃクール。近寄りがたい存在だけど、その整った容姿から告白した女の子は数知れず。



あたしもその一人になるんだろうな~なんて考えながら、ダメもとで告白した。




『‥いいけど』


3分程沈黙が続きもうダメだなと思ったとき、ふと彼…櫂士が呟いた。



「……………は?」


あまりにもビックリして、すっとんきょうな声を出してしまった。



『はぁ…だから、付き合ってもいいっつってんの。』



…ツキアッテモイイ?


…月あってもいい?



ちがう、ちがう。
…付き合ってもいい!?




「…どええぇぇぇえぇ!?」

つ、付き合うって、愛し合っちゃうやつ!?もしかしなくても、ちゅ、チューとかしちゃうやつ!?



…まじで?!


『うるさ…』


嫌そうに言う櫂士に、あたしは謝った。


『…それじゃ、またあとで。』



そんなあたしに、やっぱり無表情でそう言って去っていこうとした。

< 8 / 20 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop