恋色サイダー【完】
―――…‥1年前の9月。
「すすす、好きです。よ、良かったら、あたしとお付き合いして下さい…っっ!!」
いつも無表情でめちゃくちゃクール。近寄りがたい存在だけど、その整った容姿から告白した女の子は数知れず。
あたしもその一人になるんだろうな~なんて考えながら、ダメもとで告白した。
『‥いいけど』
3分程沈黙が続きもうダメだなと思ったとき、ふと彼…櫂士が呟いた。
「……………は?」
あまりにもビックリして、すっとんきょうな声を出してしまった。
『はぁ…だから、付き合ってもいいっつってんの。』
…ツキアッテモイイ?
…月あってもいい?
ちがう、ちがう。
…付き合ってもいい!?
「…どええぇぇぇえぇ!?」
つ、付き合うって、愛し合っちゃうやつ!?もしかしなくても、ちゅ、チューとかしちゃうやつ!?
…まじで?!
『うるさ…』
嫌そうに言う櫂士に、あたしは謝った。
『…それじゃ、またあとで。』
そんなあたしに、やっぱり無表情でそう言って去っていこうとした。