ミステリアスな3人組
その言葉を聞いた途端。
望は少し口角を上げて呟いた。
「…お前。俺の名前、知りてーの?」
てめえ、じゃなくお前、と言ったのは望なりの配慮だろう。
『…てゆうか。名乗るもんじゃん?』
尋ねた本人はへらへらと答えた。
転校生で、不良ときたら誰だって彼とつるんでおきたいようで。
しかし。初っぱなからこいつはやり方を間違えた。
これのせいで、これから先。望との接点すらなくなることなんて、想像できるはずがない。
「…ふーん。知りてーの?」
『もちろ…』
「知りてーの?」
言葉はやわらかくても。有無を言わせない雰囲気を、望は出していた。
「…お前らなんかに教えるかよ。」
ふっとクラスを見回して言ったその時に。
望はふと何かに気付いて目を見開いた。