ミステリアスな3人組




「…」

教室のど真ん中。


縦・横・斜めと八方を人に囲まれていながら、そのどれとも相容れない、どこか圧倒的な雰囲気をまとって、“そいつ”はいた。



「…」



そいつ―…悠は、望の視線に気づくと、つっ、と眼をすがめ、それから視線を窓の方へと逸らした。



「じゃ…じゃあなーっ…吉沢の席はー…」


担任がやたら焦ったような口調で再び話し始める。


望は、そんな担任には目もくれず…



ただ、ほんの少しだけ口元に笑みを浮かべた。






< 5 / 8 >

この作品をシェア

pagetop