バニラ

その日は、一緒にライブハウスを出て



雨音の部屋に行った。







まだ知り合ったばかり、

いや、まだ何も知らない彼女。



彼氏に会えない寂しさを紛らわすためかもしれない。


名前すら嘘かもしれない。






それでもいいと思った。

彼女が今、俺を包み込んでいる現実に


目眩がした。



彼女を労るふりをしながら、

俺が寂しかったのかもしれない。





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