バニラ
肩にもたれてきた雨音をそっと抱き締める。



自分は他の男んとこに行っちゃうのに、

まったく、ズルいよなぁ。


自嘲気味に苦笑する祐だったが、
この身勝手な、甘い束縛が心地好いと思った。





怖い…か。

よく言うよ。



雨音がいなくなるのが怖いのは俺の方だ。




離さない、とでも言うように

彼女を抱き締める腕に力を込めた。


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