恋するキモチ
陸……。


星の明るさで少し見える陸は、また顔も身体も弱々しい姿になった。
あんなに大きな身体だったのに…小さく感じた。



「海…。なんでここに…?」
それはこっちのセリフや。
「そっちこそ…。」
うちは言いたくなかったから返した。
「俺は…この場所が好きやから…。」
ぎこちない会話が、
波の音と重なり合う。



「海はなんでなん??」
やっぱり聞いてきた。
「うちも…ここが好きやし…。」
率直に答えた。
陸は微笑んで、
「そっか…。」
と小さく言った。
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