恋するキモチ
「えっ?これ…。」
うちは驚いたまま陸を見た。
入ってたものは…



「ペアリング…。」
うちはキラキラしたものが好きやし、憧れてた事やから涙が出た。
二つのリングがまるでうちらみたいにくっついてた。
「泣くなって!」
陸は笑って頭を撫でた。
「陸だって…バカやからそんな事しやんって思ってたから…。」
「うっせーよ!」
陸はそんな事するはずはなく、いつもならそんな高そうなものは買わなかった。
「これ…なんぼしたん?」
「秘密やし…。」
うちが聞いても答えてはくれやんかった。
そういえば…バイトしててあんま会わんかったっけ?
その事を思い出して、
それからは何も言わんかった。
きっと、陸は恥ずかしくて言えやんかったんやろな…。



「陸…ありがとう!」
陸におもいっきり抱き着いた。
陸はびっくりしてたけど、優しく抱きしめてくれた。この優しさ、うち好きやわ。
いっつもいじわるするくせにそういうとこはいいやつなんやから…。
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